· 日常

「何もしない時間」が怖くなくなった一冊

休みの日に、何もしていない自分が怖かった時期があります。

ソファでぼんやりしていると「この時間、何か生産的なことに使えたんじゃないか」と頭の隅で思ってしまう。
趣味の時間でさえ、「これは自分の成長につながっているか?」とどこかで考えている。
リラックスしているつもりなのに、全然リラックスできていない。

そんな自分に気づかせてくれたのが、「CALM YOUR MIND」という本でした。

常に生産性を意識してしまう

在宅で仕事をしていると、仕事とプライベートの境界が曖昧になります。

平日の仕事が終わっても、頭のどこかで「もう少しやれたんじゃないか」と思う。
休みの日にダラダラしていると、罪悪感が湧いてくる。
何もしていない時間がもったいなく感じて、つい仕事のことを考えたり、スキマ時間にインプットしようとしたり。

「生産性を高めたい」という気持ちは、もともと自分の中にありました。
時間を自由に使えるようになった分、その自由を「有効に使わなきゃ」というプレッシャーに変えてしまっていたんだと思います。

自由に使える時間が増えたはずなのに、心は忙しいまま。
当時はそれが普通だと思っていました。

CALM YOUR MINDを手に取った理由

本屋で並んでいるのを見つけて、すぐに買いました。
タイトルに惹かれたのを覚えています。

読んでみて、驚きました。
生産性を追い求めてきた著者自身が、燃え尽きた経験を語っていて、「刺激を減らすこと」の大切さを説いている。

「常に生産性を意識してしまう自分」にそのまま当てはまる話でした。

この本が教えてくれたのは、穏やかさは怠けではないということ。
何もしない時間にも価値がある。
頭ではわかっていたつもりだったけど、同じように生産性を追い求めてきた人の言葉だったからこそ、すんなり受け入れられた気がします。

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通知を切って、スマホと距離を置いた

この本を読んでから、いくつかの行動が変わりました。

一つは、入ってくる情報を減らしたこと。
SNSやニュースアプリからの通知を全部切って、RSSリーダーもターミナルベースのものに変えました。
情報は自分から見に行くスタイルに切り替えて、向こうから飛んでくる刺激を減らした。
それだけで、頭の中が少し静かになった気がします。

もう一つは、スマホとの距離を見直したこと。
ホーム画面の1ページ目からコミュニケーションアプリと情報取得アプリを外して、手に取ってもすぐにネットの世界に引き込まれない状態を作りました。

でも、一番大きかったのは行動の変化ではなくて、気持ちの変化です。

「何もしていない時間」に対する罪悪感が、少しずつ薄れていきました。
ソファでぼんやりする時間。
コーヒーを淹れて、ただ飲んでいるだけの時間。
以前は「もったいない」と感じていたそういう時間が、今は悪くないなと思える。

刺激を減らすことは、怠けることではない。
穏やかな時間を意識的に作ることが、結果として暮らし全体を心地よくしてくれる。

それでも夜になると焦る

完全に変われたかというと、そうでもありません。

夜になると「今日、何か生産的なことをしたっけ?」という圧が湧いてくることがあります。
趣味に没頭した日でも、「もう少し仕事を進められたんじゃないか」とふと思う瞬間がある。

最近、ふと気づいたことがあります。
自己啓発本をたくさん読んできたけど、そのフェーズはもう終わっていて、今は実行と回復のフェーズなんだと。
知識を入れるのではなく、入れた知識を暮らしに馴染ませていく段階。

CALM YOUR MINDに書かれていたことを、一気に実践するのは難しい。
でも、「焦っている自分に気づける」ようになっただけで、あの頃とはだいぶ違います。

何もしない時間が怖くなくなった。
それだけで、この本を読んでよかったと思います。

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